特殊詐欺被害 1日 1億5千万円
~図書館入荷新刊書「ルポ特殊詐欺」を読む~
21世紀の新しい犯罪「特殊詐欺」が、オレオレ詐欺に始まり今は外国からの「闇バイト」を使った強盗殺人を辞さない凶悪詐欺にまで拡散しています。
「2003年から21年までの累計被害総額は5743億円…22年上半期(1~6月)の被害額は148億円に達し」(同書P10引用)
最近は、学生や若い青年が、詐欺師グループに「闇バイト」で誘われ、強盗殺人までさせられる事件が報道されています。それも、気が付いたら、自分の家族などプライバシーを握られ、脅されて、抜けるに抜けられないとの強迫観念に囚われて、犯罪者となっていっているのです。僅かの借金のために、殺人までさせられ、一生を棒に振っているのです。
著者田崎基氏は、新聞で情報を集め、裁判を傍聴するなどして詐欺犯罪に加担した若者や学生を丹念に取材しています。また、詐欺犯罪の手口も詳しく紹介しています。
彼ら若者に窃盗、強盗、殺人までもさせる本当の「真犯人」はIT,SNSを使って、巧みに捜査の手を逃れています。勿論彼ら「真犯人」グループは暴力団につながっています。
日本の社会は「前科者」には厳しい社会です。犯罪に手を染めた学生や若者にどんな未来が待っているのでしょうか?
学生や若者をこのように追い込むのは、極端な貧富の格差を生む競争社会、金が全てという社会ではないでしょうか?
「特殊詐欺」は、私たちがその被害者にならないように用心するだけではなく、若い世代を貧困に追い込まない社会つくりが大切だと思います。
文責 井藤和俊
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