視覚障がい者に朗読奉仕25年
葉室蘭子さん 緑綬褒章受章!
令和2年秋の叙勲に、菊池市高野瀬在住の葉室蘭子さんが、長年にわたる社会奉仕活動の功績を称える緑綬褒章を受章されました。
葉室さんは、視覚障がい者に対する音訳のボランテイア活動をなされてこられたのです。
音訳のボランテイアとは、目が不自由なため本や新聞や雑誌などを読むことのできない人たちに、読んでさしあげる活動なのですが、それを聴く人が、文字だけではなく、写真や挿絵、イラスト、図表など、その紙面の内容を正確に、理解できるものでなければなりません。
葉室さんは、教職を退職後、音訳講習会を受講し、平成7年から25年間、熊本県点字図書館のボランテイアグループ(さわらび 132名)の一員として、活動されてこられました。
葉室さんの話によれば、音訳者として大切なことは、聞き手(視覚障がい者)に、書いてあることを正しく伝えることで、そのために下調べを丁寧にして誤読をなくすこと、また内容を伝えるために聞き取りやすい読み(アナウンス読みなど)を身に付けることが大切だとのことです。
音訳者が本を1冊読み終わる(パソコンで録音します)と、校正者に送られチエックを受け、音訳者はチエック個所を訂正し、さらにその訂正個所が正しいかをチエックした後、CDに焼き付けて完成となり、それを利用者に聞いていただくそうです。
CDは、デジタル化されていますので、全国どこにいても、ダウンロードすれば聴くことができますが、それを聴くにはプレクストークという機械やMP3対応のプレイヤーが必要だそうです。。
菊池には、音訳グループ「ひこばえ・輪々の会」があり、会員は14名(内さわらびの会員6名)で、毎月「菊池広報」その他「社協だより」「議会だより」などを音訳・録音し、音訳を聴くことができる視覚障がい者13人に、そのCDを送っている活動をなされているとのことです。
なお、このようなボランテイア活動に参加するには、熊本県点字図書館に相談すれば、講習会などの案内をしていただけるそうです。
葉室さんのお話は、実に興味深く、私が知らなかった障がい者とボランテア活動の一端を教えられました。またこのような地道な活動を25年以上にわたって継続してこられたことに敬服するばかりです。このたびの受章おめでとうございます。(文責 井藤)
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