おすすめの一冊 紹介者 東 奈津子
『サンタクロースって ほんとに いるの?』
てるおか いつこ:文 すぎうら はんも:絵
人は、人生の中で3度絵本に出会うと言われています。まず最初は、幼少期。次は、子育ての時。そして、最後は子どもが育った後。
私自身は、幼少期での絵本との記憶はほとんどなく、絵本に興味を持ち始めたのは、長男が生まれた時でした。周りの人に勧められて、生後間もない頃から、長男に読み聞かせをしてきました。
そんな中で、様々な絵本と出会い、絵本の魅力に気づき、絵本が大好きになりました。
今回は、大好きな絵本の中から、『サンタクロースって ほんとに いるの?』の本の紹介をさせてもらいます。
この本は、幼い子ども二人が、両親にサンタクロースが本当に存在するのか、様々な疑問を投げかけ、その一つひとつに、両親が丁寧に答えていくというお話です。
「ねえ、サンタクロースって ほんとうにいるの?」「どうして ぼくのほしいものがわかるの」「どうしてよなかにくるの?」「どうして そんなにおくりものができるの?」・・・等々、たわいもない様々な質問に、お父さんやお母さんが丁寧に答えていきます。読んでいで、おわず微笑んでしまいます。気持ちがとっても温かくなる内容です。
私は、とりわけ、この本のラストが大好きです。子ども達が、最後にもう一度、サンタクロースが本当にいるのかを尋ねます。お父さん(お母さんかも・・・)はこう答えます。
「いるよ サンタクロースはね こどもを よろこばせるのが なによりのたのしみなのさ だって こどもが しあわせなときは みんなが しあわせなときだもの サンタクロースは ほんとうにいるよ せかいじゅう いつまでもね」
今、貧困問題や環境破壊等、子ども達にとって決して「しあわせ」とは言えない問題を、日本でも世界でも抱えています。コロナ禍において、そのことが益々、ハッキリしてきたのではないでしょうか・・・。
便利さや効率化を追い求めてきた大人の価値観だけではなく、子ども達にとっての「しあわせ」を改めて考えていきたい・・・この絵本を読んでの私の感想です。
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