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[2020年7月号]コロナ対策下の学校と図書館

コロナ対策下の学校と図書館

                  菊池市教育長 渡邉和博 

 令和元年度のまとめと2年度の教育計画完成間近の2月末に突然の学校休校要請となりました。その後幾たびも再開後の計画立案をしながら、学校は6月1日から通常の登校に戻りました。

その間、常にコロイナウイルス感染症拡大抑止と子どもたちの学びの保障の両面から判断してきましたが、過去に経験のない特殊な対応に悩みながらも次のように取り組みました。

 3月は「これまで学んだことの復習」と「未習内容への取組」を学校からプリント集として配布し、家庭で学習、登校日に提出の形でした。

 新学期となり4月8日から三密を避けながら始業式、入学式を実施し、授業再開したものの4月15日から再び臨時休校としました。

 その後の家庭学習は「生活リズムを学校のリズムに重ねる時間割り学習」(学校の時間割どおりに課題に取り組む)としました。その中で様々な学習支援サイトやオンラインを活用した学習ドリルの提供についての紹介という形でオンライン学習を推進しました。また各学校のホームページも独自の工夫がなされました。(先生からの読み聞かせや読書の勧め等を発信された学校もありました)

 さらに教育委員会では「今できることからやる」という思いで義務教育最終年度の中学3年生に対してweb会議システムを利用した家庭学習支援のテスト(遠隔授業)を実施しました。今後はその課題等を整理し、今後のオンライン学習を充実させ、コロナ第2波に

も備えたいと思います。さらには今年度中には小中学校全員に一人一台端末整備(タブレット)と高速大容量の通信ネットワーク整備を行う予定であり、学校及び家庭での学習の質が大きく進化することになると予想します。

 2月末からの自粛によって、市内の図書館も利用制限がかかり、皆様には大変窮屈な思いをおかけしました。開・閉館はその時々に検討してきましたが、閉館中の「きくち電子図書館」は今回大きな存在となりました。

 閉館前とその後を比較すると電子図書館の利用は4倍を超えており、利用者の皆さまはその良さを実感されたのではないでしょうか。

 小中学校では登校日においてそれぞれの図書室で本の貸し出しが行われましたが、分散登校、しかも限られた時間の中での活動であり、電子図書館の利用については十分な指導ができなかったようです。ただ図書館に登録している子どもが多く利用していることは分かっていますので、先ほどご紹介した今後のICT教育の推進によって、学校の図書室と市の図書館の連携による読書指導の充実や情報活用能力の育成等は大いに期待できます。

今回のコロナ対策によって休業や自粛等の負の側面は、私たちの生活に大きなダメージを与えていますが、このような状況であるからこそしっかりと見直しを図る必要があります。

 この機会に新しい生活様式における「菊池らしい教育」を前進させたいと考えています。

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