[2022年2月号] エッセイ 図書館を誇りに思える幸せ

図書館を誇りに思える幸せ            坂本玲子

帰郷してはや十年。帰郷当時のふるさとは、春の息吹に満ちていて、半世紀ぶりのUターンへの不安など、一気に吹き飛ぶ思いだった。しかし、新しい暮らしに慣れていくにつれて、何だか満たされない思いが頭をもたげてきた。

それは「なんと図書館がない」事だった。あったのは、中央公民館にある図書室。読もうと思えば、確かに本はある。でも、図書館に入った時のワクワク感が全くない。失望感も大きく何ともいえず寂しかった。それから、どのくらい経った頃だろうか。図書館建設の青写真があると知ったのは・・・

間もなく「菊池の図書館を考える市民の会」が立ち上げられ、軽トラ朝市に「菊池市図書館を考える市民の会」の白地に青く染め抜かれた旗が立った。当時、菊池の魅力再発見のような気運もあり、図書館学を専攻していた大学院生の力も借りながら、シンポジュームを開催したり、「図書館建設段階から、市民の意見を反映してもらいたい」と、運動したり・・・当初二階の予定だった図書館を一階に変更できたのは、その成果。

大きなガラス窓越しに、熱心に本を読んでいる子供達や、母親の傍らでページをめくっている幼児の姿が見えると、心が和み何だか嬉しくなってくる。

そして、図書館に迎え入れられる時のあのワクワク感!私は「ふるさとの誇りです」と、友に書き送る。今は「菊池市図書館友の会」となった「菊池の図書館を考える市民の会」だが、私の中では、あの旗が今でも鮮やかだ。



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