[2022年5月号] 「ウクライナ戦争報道」と図書館の役割

「ウクライナ戦争報道」と図書館の役割              井藤和俊 



 既に二ヶ月経過したロシアによるウクライナ侵攻(以下「ウクライナ戦争」)は、ロシアによるウクライナ東部占領が進むとともに、対抗するNATO諸国のウクライナ支援が強化され、膠着状態が続いています。

 当初のウクライナ・ロシアの停戦交渉も、その後のオランダや国連事務総長の停戦仲介でも、交渉の展望が開けず、核戦争・第三次世界大戦のリスクは依然として高いものがあります。

 連日の「ウクライナ戦争」の報道は、ロシア・プーチン批判一色です。それ自体、この戦争の様相を知るにつけ、当然の判断であり、報道です。

 しかし、日本では、非力なウクライナを核大国ロシアが侵略するという構図から、<日本がロシア、中国、北朝鮮から核攻撃される恐れがあるので、日本も核武装すべきではないか>という議論が安倍元総理を中心に自民党内から湧き上がっています。

 憲法9条・核廃絶の理念は、弊履の如く捨て去られています。

 私たちが、今回のウクライナ戦争から学ぶべきことは、ウクライナとロシアとの歴史的関係、ウクライナとNATO,ロシアとアメリカなどの歴史的関係について、どのような経緯があったのか、何がロシア・プーチンを戦争に駆り立てたのか、この戦争にロシア国民の8割もの支持あるのはなぜかということです。

 そこから導かれるものは、<核には核を>の単一解ではなく、核廃絶を含む幾通りもの解決策です。

 もちろんこの解は、私たちが個人でできることではなく、多くの専門家、官僚、政治家なども含めて、国民全体が議論に加わって見出すことです。そこで問われるのは、あくまでも、合意を目指す「熟議の民主主義」です。

 そこで、私たち国民に求められるのは、数多の情報を読み解く力(メデイアリテラシー)です。その力を養う有力な場が図書館です。図書館は、そのために可能な限り文献をそろえ、国民が自由に学べる場所を提供することです。

そのために、日本図書館協会は「図書館の自由に関する宣言」を発しています。

以下紹介します。

      図書館の自由に関する宣言(1954年採択1979年改訂)  図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由を持つ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し、実践する。   第一 図書館は資料収集の自由を有する   第二 図書館は資料提供の自由を有する   第三 図書館は利用者の秘密を守る   第四 図書館は全ての検閲に反対する

  図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る

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