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[2022月10月号] 図書館論「理想の図書館とは何か」

図書館論「理想の図書館とは何か」(根本 彰著)


「市民の図書館」

 1970年代以降図書館の理念は「市民の図書館」として、市民の日常生活から生じる娯楽や生活上のニーズに応える本を提供する図書の「貸出サービス」を重点施策とし、児童サービス(絵本、読み聞かせなど)、全域サービス(分館、ブックモービルなど)に広がり、市民の図書館利用を促進し定着させました。

「図書館環境の激変」

 本書は、このような「市民の図書館」の果たした役割を評価しつつも、今日のインターネット、デジタル化、自治体財政の厳しさなど、図書館環境の激変に、「市民の図書館」では対応困難との認識で、新たな図書館の理念を、提起しています。

1990年代、バブル崩壊とともに、自治体財政が厳しくなると、図書館の経営合理化、図書司書の削減、非正規化、業務の民間委託が進められました。

 「指定管理者・電子図書館」

 2000年代になると、図書館を集客施設と位置付け、指定管理者への委託、駅ターミナルや商業施設への立地、書店や喫茶店と同居するなどの動きが活発化します。

なおこの時期からインターネットが図書館業務に浸透し、貸し出し、検索、無線LANなどのサービス、ホームページ、パソコン利用、電子図書館開設など、デジタル化が進んできました

 「課題解決型図書館」

 インターネットの利活用により、図書館利用者が市民だけではなく、行政や地元企業、働く勤労者を含む地域社会全体に図書館を位置づけるという考え方が広まりました。

「課題解決型図書館」の登場です。図書館は、行政や商工業、農業など地域産業を視野に入れ、地域の課題解決に資する図書資料を提供する役割を求められ、図書司書のレファランスが必要とされます。

 「菊池の図書館の課題は?」

 菊池の図書館は、開館5年目を迎え、電子図書館開設、日本語教室、農業講座(農文協)などの試みはありますが、地域課題のニーズは、まだ図書館には向けられてはいません。

司書のレファランス能力の蓄積もこれからです。「課題解決型図書館」が菊池にとっては何なのかは、今からの議論であり、期待したいとおもいます。

  「理想の図書館とは何か 知の公共性をめぐって」根本 彰著 ミネルブア書房

                      (菊池市中央図書館 蔵書)



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