三木 清 「人生論ノート」
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「人生論ノート」著者 三木 清 よはく舎 定価本体 1600円
2024年6月30日 第1冊発行 同年7月20日 第2冊発行
戦前の哲学者で、戦争末期(20年3月)に治安維持法で検挙され、戦後になっても釈放されず獄死(20年9月)した三木清が、昭和
13年から、雑誌「文学界」にエッセイとして書いていたものを、「人生論ノート」として、昭和16年創元社が出版したものです。
本書「人生論ノート」は、「死」「幸福」「懐疑」といった人生で誰でも直面する課題について、考察を加え、私たちに貴重な生き方のヒントを与えています。
例えば「成功について」では、「成功と幸福とを、不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何であるかを理解し得なくなった。自分の不幸を不成功として考えている人間こそ、まことに憐れむべきである。」
「他人の幸福を嫉妬する者は、幸福を成功と同じに見ている場合が多い。幸福は各人のもの、人格的な、性質的なものであるが、成功は一般的なもの、量的に考えられ得るものである。だから成功は、その本性上、他人の嫉妬を伴ひ易い。」(昭和
15年7月「成功について」より引用)
この本が、最近(令和6年)になって復刊されたのは、「経済的な豊かさや社会的な成功が幸福と見なされ、厳しい競争社会や効率至上主義の風潮の中で自分を見失いがちな現代だからこそ、本書を通じて幸福とは、孤独とは、死とは何かという普遍的哲学的な問いと向き合い、人生を真に豊かにする術について、一緒に考えていきたいと思います。」(岸見一郎)ということである。
参考文献「三木清 人生論ノート 孤独は知性である」NHK出版 著者 岸見一郎
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