[2025年04月号]「カフェ×本屋×音楽×人」を目指して
- 益崎亮二・英子
- 4月1日
- 読了時間: 4分
更新日:4月1日
cafe望野山・マスザキデンキカフェ 益崎亮二・英子
1 出会い
昨年、あるお店のオーナーの方から
「この店舗でレコードが聴けるカフェをされたらどうですか?」
と言われ、迷った末思い切ってやってみることにしました。
閉店して10年ほどたった旧マスザキデンキの店舗には、昭和(明治、大正時代のも)家電やレコードが残っています。40年ぶりに甦ったステレオで音楽を聴き、コーヒーでも飲んでゆっくりとした時間を楽しんでいただきたい。また少しでも商店街に賑わいが戻ってほしいとの願いもありました。

オープン初日の2024年8月3日11時きっかりに最初のお客様がいらっしゃいました。先のオーナーKさんから紹介されたというその方は店内にあった小坂明子の「あなた」のEP盤を手に取り
「これをかけてください」
と言われました。
「お若いのにご存じなんですか?」
と尋ねると
「父がよく聴いていたので」
とのこと。
そんなやり取りの後、
「実は菊池で本屋をやりたいんです。子どもたちが歩いて来れて気軽に立ち寄り、本を手に取れるそんな本屋がしたいんです。」
と話されました。福岡から菊池を選んで移住された木編BOOKSの杉本翼さんでした。
その1週間後、今度は妻の松尾彩音さんと一緒にご夫婦で来てくださいました。
「どこかお店を出せる、いい場所をご存じありませんか?」
と聞かれ、とっさに
「この店を半分使われませんか?」
と答えました。お二人の人柄と思いに共感してのことでした。
それから話はとんとん拍子に進み、間借り本屋「木編BOOKS」の開店となりました。
現在毎週土曜日、旧マスザキデンキで「レトロな元電気店でカフェタイム」の時に一緒にオープンしています。

2 つながる
その後、木編BOOKSさんのことを知った80代の方から、自分の本を寄贈したいとのお話がありました。「菊池に本の文化を根付かせたい。」との思いからでした。木編BOOKSさんご夫妻は20代、世代を超えた繋がりはその後も続き、いろいろな方が本を寄贈されています。
旧マスザキデンキにも「プレーヤーがなくてもう聴けなくなったから」とある方からたくさんのレコードを寄贈していただき、カフェに来られたお客様に楽しんでいただいています。

木編BOOKSさんとつながりのある方々にご来店いただくようになり、私たちの友人、知人、カフェのお客様との交流が自然と始まりました。
最近では木編BOOKSさんが開催する「哲学対話」を通して、大学生、高校生の方々にも交流の場が広がっています。
本を通して、図書館友の会の方々にもたくさんご来店いただいています。
今、「カフェ+本屋+音楽+人」はその結果以上のものを感じています。1+1+1+1=5の気分です。
3 これから
カフェでは地元のお菓子屋さんのお菓子をお出ししています。地元にいながらなかなかその魅力に気づいていないお菓子がたくさんあります。さらに多くの「菊池のお菓子」を味わっていただきたいです。
カフェのコーヒー豆は元地域おこし協力隊だった「花二日」さんが焙煎された豆を使っています。「どこの豆?」と聞かれるほど香り高く上品な豆です。これを若木水源の湧水で淹れています。
またカフェの一角には、アマチュア写真家の方々の作品を展示させていただいています。
これから絵画や手芸作品などの展示にも使っていただきたいと考えています。
今、菊池は移住してこられた方々のパワーとそれを支える菊池の人々の温かさが感じらる場所となっているように思います。
「カフェ+本屋+音楽+人」が「カフェ×本屋×音楽×人」のように和ではなく積となるように「ゆっくりとした時間、心地よい空間、懐かしいレコード音楽、地域のおいしい味、そして本や人との出会い」を提供していきたいです。
*現在、毎週土曜日の午前11時から午後5時までカフェを開けています。お気軽にお立ち寄りください。時々お休みもありますので、インスタグラムなどでお確かめください。
また、菊池市四町分では日曜と月曜にcafe望野山(ぼうやさん)を営業しています。そちらにも木編BOOKSさんや図書館の本を置いております。
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