[2025年06月号]イベントレポート「KiCROSS夕暮れ読書会」
- 杉本翼
- 6月1日
- 読了時間: 2分
更新日:6月2日
5月24日に菊池中央図書館で開催された「KiCROSS夕暮れ読書会」に参加してきました。

閉館後の静かな図書館に集まったのは7〜8名の参加者。それぞれが「本音」というテーマから自由に本を選び、持ち寄って紹介し合うというスタイルです。テーマは同じでも、選ぶ本や語り口は十人十色。それぞれの“本音”がにじみ出る、深い読書会となりました。
私は、平野啓一郎さんの小説『かたちだけの愛』を持参しました。事故で足を切断した女優と、彼女の義足をデザインする男性との恋愛を描いた作品です。
恋愛って、時に本音を隠しながら、それでも伝えようとする不思議な営みだと思いませんか?平野さんの描く登場人物たちは、その揺れ動く感情を繊細に表現していて、読みながら自分の中にある“忘れていた本音”に触れた気がしました。
読書会では、まず参加者同士で軽く自己紹介をし、その後ひとりずつ、5〜10分ほどで
持参した本を紹介していきます。
この読書会には、次のような3つのルールがあります。
ジャッジを手放す
自分のことばで話す
最後まで聞く
このルールがあることで、参加者は安心して自分の思いや読後感を語ることができました。本の内容以上に、その人自身の声が響く時間でした。

紹介がひととおり終わると、キクロスのスタッフの方が、紹介された本の著者による他の作品や関連書を館内から持ってきてくれます。気になった本はその場で借りることもでき、興味の幅がぐっと広がります。
図書館という場所だからこそ生まれる、本と人との豊かな出会い。「読書会」と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、KiCROSS夕暮れ読書会はとても温かく、初めての方でも安心して参加できる場でした。
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