[2021年10月号] エッセイ 変わりにくい文語?変わりやすい口語?                  

「変わりにくい文語?変わりやすい口語?」

江藤継喜(前教育委員)

 私たちは、図書館等の活字から多くのことを学びます。著者からのメッセージが受けて側の読者へと伝えられるのですが、受けての取り方はそれぞれ微妙に違ってたりするかもしれません。それでも文字を駆使してプレゼンするということはすごいことだと改めて感心させられます。

 日本に文字が伝わったのは、五世紀の初めといわれております。しかし渡来人や漂流者と共に漢字がやって来たと考えれば、もっと早い時代とも考えられます(諸説あり)。いずれにせよ漢字を使いこなせるようになるのには、長い時間を要したであろうことは想像に難くないようです。漢字の発音(音読み)を覚え、意味を知り、従来使っていた言葉に当てはめ(訓読み)書写できるようになる、大変困難な作業であったろうと推察されます。その後漢字の一部から取った片仮名や、漢字を毛筆で崩した平仮名へと文字を進化させた日本は、万葉集編纂や平安中期の女流作家を輩出します。

 一方いにしえの話し言葉といえば、狭い日本にかかわらず方言多数、武士は中央に上がった折の共通語として、能の謡いを覚えたのだとか、ここで文字が役に立つ・・・。江戸時代後期まで京言葉が中央語であったと聞きます。その後徐々に江戸言葉へと変化していったのではとの説、明治中期から昭和前期にかけて標準語の基礎ともいえる国語教科書がつくられたとか、それも大変な作業で当時の学者さんに頭が下がります。太平洋戦争後は標準漢字から当用漢字へと変革され、また仮名や書式も変わります。

 さて現在、個人的に言いますと最近の話し言葉は目を覆うものがあります。ら抜き言葉

は常用され四字熟語・ことわざ・外来語の誤用、形容詞「すごい」を副詞代わりに日常的に乱用、尊敬語・謙譲語・丁寧語があやふや、IT用語や略語や新語・造語・流行語等々。

 言葉は変化・進化するものだから自然の流れかと、百歩譲りましょう。しかしながら、学校の国語の先生の教壇は大変だろうなと案じているのは私だけでしょうか?私たちは、図書館等の蔵書の活字から多くのことを学びます。著者からのメッセージが受けて側の読者へと伝えられるのですが、受け取り方はそれぞれ微妙に違ってたりするかもしれません。それでも文字を駆使してプレゼンするということはすごいことだと改めて関心させられます。

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