「光と影のTSMC誘致」 深田萌絵編著 かや書房出版
世界の半導体製造の過半を占め、最先端分野は90%を独占するTSMC.その誘致についての疑惑、彼らが台湾で起こした環境問題を明らかにし、熊本の環境規制対応の杜撰さ、環境関連法の不完全さに警鐘を鳴らす。(本書の帯<推奨の言葉>より引用)
熊本県は、TSMCの誘致を、100年に一度のチャンスとばかりに、県総がかりで取り組んでいるが、果たしてそう喜んでばかりで良いのか?とりわけ県民の命であり、誇りでもある「豊富な地下水」の汚染は、対策可能なのか?
また半導体事業は、技術開発が非常に早く、昨日の製品が、明日は時代遅れとなるような産業分野である。現に、日本も、菊池市も、つい十年前までは半導体関連事業は世界トップレベルを誇っていた。それが一朝にして衰退し、今となっては、台湾の後塵を拝する身になっているではないか?
TSMCは外資系企業なのだろうから、事業の見通しが暗くなれば、撤退し、従業員は失職することになるではないか?
また相次ぐ事業拡張(工場新増設)には、いざとなったら、歯止めできるのか?
くれぐれも、水俣病の二の舞にならぬよう、TSMC誘致に伴う負の側面は、しっかり受け止めていただきたい。
本書は貸し出し中のため、筆者はまだ読んでいないが、帯の推奨の言葉から、あえて今回取り上げました。杞憂であれば幸いです。
(文責 井藤 和俊)
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