[2025年05月号]投稿「東京・清瀬市の図書館、いきなり3分の1に」驚く
- libraryofallkikuchi
- 5月1日
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投稿「東京・清瀬市の図書館、いきなり3分の1に」に驚く

地方自治体が、財政難から図書館の直営を止め、一部の業務あるいは図書館運営を民間委託する話しは、以前からありましたが、最近は、図書館そのものを廃止する、統合によって一部廃止する、人集めしやすい他の用途に変えるなどの事例が見られます。
先日、エコノミスト(4/29・5/6合併号)で、「永江 朗の出版業界事情『東京・清瀬市の図書館、いきなり3分の1に』」という記事を読みました。
清瀬市(東京都)は市内に6館あった図書館のうち4館を3月末で廃館し、代わりに無料配達による貸し出しと返却の宅配サービスを導入しました。それにしてもいきなり3分の1になるのは驚きました。閉館の是非を問う住民投票を提案する条例案は市議会で否決されています。
しかし、詳細に見ると、現代の読書文化が抱える様々な問題が見えてきます。
6館を2館に減らす一番の理由は財政難です。東京都の多摩地方北部に位置する清瀬市の人口は約7万6000人、法人市民税、個人市民税も都内26市の平均を下回っています。
市は、図書館利用率は低迷し、利用者も減少傾向にあっても、インターネット予約や宅配サービスで、利用者増を見込めるという考えのようです。
しかし、ネットでの検索や予約と宅配サービスは、若い世代には受け入れられても、高齢者にはどうでしょうか?
また、調査研究のために図書館を利用する人には、司書のレファレンスは大事な欠かせないサービスです。利用者と司書のやり取りの中で、 いろいろなアイデアが浮かんでくるセレンデイピテイもあるでしょう。(注 セレンデイピテイ 予期せぬ発見が新たな価値を生み出す事)
図書館の利用者は、何を読むのか、決まっているとはかぎりません。漠然と書架を見ながら、面白そうな本を見つけるというような図書館利用も少なくありません。このような図書館の楽しみ方は、心を癒す大事な居場所にもなります。
永江 朗氏は以上のようなことを主張されていると思います。
菊池市も、農村部と都市部との違いはあれ、清瀬市とほぼ同様な規模であり、抱えている問題もほぼ同じではないのか、また、菊池市の過疎化、少子化、高齢社会化は、清瀬市以上に、ITやAIでは補えない厳しさがあるのではないかと思います。
はるか東京の地から、「菊池市図書館友の会」の一員として、他山の石にと思い投稿しました。 (東京 NK生)
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