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[2025年11月号] 増える「読書ゼロ」、しかし新たな芽が

若者は本よりスマホ?「読書ゼロ」半数超す!


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 「読書ゼロ半数超す」~小中高生調査 スマホ長いほど読書時間短く~

(熊本日々新聞 10月27日付け)

2024年調査(ベネッセ教育総研・東大社会科学研 共同実施 1万2千組無作為抽出)によると、1日に全く本を読まない子どもは、小1~3年33,6%、小4~6年47,7%、中学生59,8%、高校生69,8%という結果で、これは調査を始めた2015年に比べ、14~22ポイント増です。

1日に読書時間の平均は、小4~6年15,6分、高校生10,1分で、15年と比べ5~6分減です。

1日のスマホ時間は、小4~6年33,4分、中学生95,7分、高校生138,3分で、それぞれ15年から約22分~52分増です。

スマホの使用時間0分の小4~6年の読書時間17,8分だが、使用時間3時間以上だと読書時間は9,5分、中学生のスマホ使用時間0分の読書時間は21,7分だが、3時間以上だと12,5分である。スマホの使用時間が長い程、読書時間は短くなっている。(以上熊日記事要約)

21歳の6割「本読まず」小学生当時から大幅減     文科省追跡調査(2022年)

 2001年生れ2万2千人調査でも、「この1ヶ月に読んだ紙の書籍(本)の数」の質問に、

0冊62,3%、1冊19,7%, 2,3冊12,3%、4冊以上5,8%でした。


これらの調査結果に対して、国の対策は?

 第5次「子どもの読書活動推進に関する基本的な計画について(文部科学省)

               (令和5年3月28日閣議決定)

1,不読率の提言

子どもの読書活動の意義を踏まえれば、全ての子どもたちが本に接するための環境整備及び取組の実施が重要です。不読率の改善に向けて、学校図書館に関するオリエンテーション等の学校種間の移行段階に着目した取組や、乳幼児期からの読み聞かせの推進をお願いいたします。 特に高校生の不読率の低減については、乳幼児期から中学生までの切れ目ない読書習慣の形成を促すとともに, 探究的な学習活動での学校図書館等の利活用など、主体的に読書に興味・関心を持てるような取組の推進を図るようお願いいたします。

2、多様な子どもたちの読書機会の確保

 障害のある子どもや日本語指導を必要とする子どもなど、多様な子どもたちに対応した取組を行うことが重要です。「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(読書バリアフリー基本計画)」等を踏まえ、多様な子どもたちが利用しやすい書籍及び電子書籍の整備・提供や、多言語対応等、学校図書館、図書館等の読書環境の充実に努めていただくと共に、積極的な取組を進めていただくようお願いいたします。

3、デジタル社会に対応した読書環境の整備

デジタル社会に対応した読書環境の整備を進める際に当たっては、GIGAスクール構想

(注1)の進展やデジタル田園都市国家構想(注2)を踏まえ、学校図書館や図書館のDX(デジタルトランスフォーメーション)(注3)を進めることが重要です。その際、学校図書館と図書館が連携することや、個々の発達段階や状況等に応じて、紙媒体や電子媒体等を柔軟に選択すること等、積極的な取組をお願いいたします。

4.子どもの視点に立った読書活動の推進

子どもの最善の利益を実現する観点から、子どもの意見を年齢や発達段階に応じて適切に政策に反映させていくことが求められています。そのため、子どもの読書活動の推進に当たっても、子どもが主体的に読書活動を行えるよう、アンケート等、様々な方法で、子どもの視点に立った読書活動の推進を行うようお願いいたします。

(注1)GIGAスクール構想 全国の児童生徒に「一人一台の端末」「高速ネットワーク環境」を整備し、ICTを活用した新しい学びを実践するための文部科学省の教育政策。

(注2)デジタル田園都市国家構想 デジタル技術を活用して地方の社会課題を解決し、都市と地方の格差を縮め、誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指す日本の国家戦略。

(注3)学校図書館や図書館のDX(デジタルトランスフォーメーション) 図書館のサービスや運営をデジタル技術で革新し、利用者の利便性や運営効率を高める取り組み。


地域では?

 各地で進む 新たな「本屋さん」「まちなかライブラリー」

 地方では、地域経済の疲弊とともに、次々と「本屋さん」が姿を消しています

菊池市も、隈府の町中は、国道沿いを除けば、昼間でも人通りは少なく、営業しているお店は少なく見えます。

市内の本屋は、今夏6月TUTAUYAが撤退しました。大型商業施設「夢空間」にある三木誠文堂は書店ですが、メインは文房具販売です。店頭に並べられた本は、TUTAYAにはるかに及ばぬ数量です。

近隣の書店は、山鹿市内のANTOKUか菊陽町の大型商業施設「光の森」の「紀伊国屋書店」

又は熊本市内まで行かねばなりません。

 そのような中でも、今全国的に、個人の独立書店や「まちなかライブラリー」が立ちあげられつつあります。

菊池市内でも旧マスザキデンキに、間借り本屋「木編Books」が開業され、本を売るだけではなく、「哲学対話」で小さな文化運動を志しています。

人吉市では、人吉球磨地域の住民が、自分で選んだ本を持ち寄って読んでもらう催し

「ひとよし街なかひとはこ図書館」が、肥後銀行人吉支店で開催されています。

自宅や店舗の一角を開放し、蔵書を読んでもらう「まちライブラリー」の活動が、全国的に広がっています。

                           事務局 井藤和俊
























 

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