[2026年03月号] 菊池で暮らす私たちが考える、今回の衆院選の論点
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菊池で暮らす私たちが考える
今回の衆院選の論点
杉本 翼
今回の衆議院総選挙は、政党の組み合わせや立ち位置の変化もあり、「結局、何が争点なのか分かりにくい」と感じた人も少なくないかもしれません。しかし、選挙で問われているのは政局そのものというよりも、私たちの暮らしの方向性です。菊池で日々生活している立場から、主な論点を整理してみたいと思います。
まず中心にあるのは、物価と家計の問題です。食料品や日用品、ガソリン代、電気代の上昇は、都市部でも地方でも共通の課題ですが、車移動が前提となる地域では燃料費の影響はより大きく感じられます。対応策としては、減税によって直接的に負担を軽くする方法、給付や補助金で一時的に支える方法、あるいは経済成長を促して賃金上昇につなげる方法などが議論されています。ただし、どの方法を選んでも財源の問題がついて回ります。将来世代への負担、国債の増加、社会保障とのバランスなど、短期と長期の視点をどう組み合わせるかが問われています。
次に、人口減少と子育て支援です。菊池でも子どもの数は減少傾向にあり、学校のあり方や地域コミュニティの維持にも影響が出ています。児童手当の拡充、教育費の軽減、保育環境の整備などは広く議論されていますが、どこまで国が一律に支援するのか、地方自治体の裁量をどう確保するのかは考え方が分かれるところです。
農業と地方経済も見逃せません。菊池は農業が基盤の一つです。燃料や肥料の価格、輸入政策、補助制度の設計は、地域の生産者に直接影響します。自由化を進めて競争力を高めるのか、価格安定や所得補償を厚くするのか。それぞれにメリットと課題があります。また、医療や公共交通、インフラの維持といったテーマも、人口減少社会ではより切実です。地方をどのように支え、どのように自立を促すのかという国の姿勢が問われています。
安全保障と財政の問題もあります。国際情勢の変化を受け、防衛力のあり方が議論されていますが、防衛費の増減は他の政策分野の予算とも密接に関係します。限られた財源をどこに重点的に配分するのかは、価値観の違いが表れやすい部分です。安全保障、社会保障、教育、地方振興のバランスをどうとるのかという全体設計の問題でもあります。
そして、政治の信頼性や透明性も重要な論点です。制度の改善や情報公開のあり方は、すぐに生活を変えるものではありませんが、長期的には民主主義の基盤を左右します。政治が信頼できるものかどうかは、政策以前の前提条件とも言えます。
今回の選挙は、生活、地域、将来世代、財政、安全保障といった複数の要素が絡み合っています。だからこそ、誰かの意見をそのまま受け取るのではなく、論点を整理し、自分なりの優先順位を考えることが大切だと思います。
投票は一度きりの行為ですが、民主主義は継続的な営みです。完璧な選択肢があるわけではありません。それでも、地域で暮らす一人として、何が大事かを考え、意思を示す。その積み重ねが、菊池のこれからの姿、そして日本のこれからの姿を形づくっていきます。今回の選挙をきっかけに、これからも関心を持ち続け、投票に足を運ぶ。その姿勢自体が、民主主義を支える力になります。
もっとも、今回挙げたこれらの論点が、選挙期間中に十分に深められたかというと、必ずしもそうとは言い切れません。方向性は示されましたが、具体的な制度設計や財源の裏付け、長期的な影響については、これからの国会での議論で詰められていく部分も多く残されています。新たに発足した高市早苗内閣が、これらの論点をどのように整理し、どのような議論を重ね、どのような形で政策として実行していくのか。そのプロセスを冷静に見守り、必要に応じて声を上げていくことが、私たち有権者に求められているのではないでしょうか。
(事務局 補足)
この度の選挙で、高市自民党が衆院の3分の2を超える議席を得た事、「中道」が100議席を超える選挙前の議席を100以上失う惨敗に終わったことを受けて、「本質観取」という哲学を学ぶ筆者杉本氏に、どう考えるか書いていただきました。
高市総裁率いる自民党か、立憲と公明が合体した「中道」かという政党レベルの二項対立ではなく、また他の政党のどれかではなく、この選挙を通じて何が争点なのか、それをどのように政策なり行政として実行してゆくのか、熟議の国会運営を求めています。
<高市内閣の防衛力増強は「軍事国家」の道だ>いや<防衛力増強に反対するのは、媚中だ>とかの極論ではなく、それぞれがその根拠を国民にわかりやすく明らかにしつつ、どこが相違しているのか、どこは一致できるのかを、真摯に議論を重ね、不一致の部分は、不一致として、次の課題として残しつつ、暫定的に合意できることを実行するという政治運営を求めています。
<二項対立> <多数決>という国会運営ではなく、熟議の国会運営を国民は望んでいると思います。 (文責 井藤和俊)


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