「2026年03月号」 菊池で子どもを育てるということ
- libraryofallkikuchi
- 3月1日
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菊池で子どもを育てるということ 木編Books 松尾彩音

菊池に住み始めて2年が経った。2024年の夏に出張本屋を始め、2025年の夏に第一子を出産し、2026年の冬には本屋の実店舗をオープンした。
住み始めてから「本屋をしたい人」というフィルターを通して、菊池の人と話す機会はあったが、子どもを連れて子育て支援センターに行くことで、本好き以外と話すことも増えてきた。その場で話すのは「菊池は子育てしやすいよね」ということだ。自然が多い、家が広く子どもの声を気にしなくて良い、などがよく出てくるが、私は“子どもの成長を一緒に喜んでくれる人がたくさんいる”ことが、育てやすさに繋がっていると思う。
子どもを連れて歩いていると、つくづく「たくさんの人に見守られている」と感じる。
「親しい人以外に子どもに触れてほしくない」「靴下履いてないと『こんなに足冷たいよ』と言って欲しくない」SNSを見ていると、こんなつぶやきをよく見かける。でも、そうやって周りとの関わりを拒否することは、子どもに関心を持ってほしくない、ということに繋がってるんじゃないだろうか。それって結局、子どもにとって危険なことが増えていくんじゃないだろうか。
もちろん、親を褒めるような言葉をもらった時や、世代によって変わっていく子育てへの価値観を理解してくれていると嬉しい。しかし、年代の違う人を理解しようとするのが大事なのは、子育てを終えた人も今の子育て世代も同じであり、それが関わり合うということではないだろうか。
人の多い都会では難しくとも、この人の関わりが濃密な菊池では、「ちょっと今機嫌が悪くて…また今度お願いします。あと少しで眠れそうなんです」「足で体温調整しているこで、今は少しは冷たくても大丈夫みたいですよ」とそこから、少しだけでも言葉を交わすことはできないだろうか。
私は普段暮らしている中で、たくさんの人に子どもを抱いてもらい、成長を喜んでもらうことが「また一つ、地域の見守りの目を増やすことができた」と感じている。私が子どもだった時よりも、用心して過ごすことが必要となっている今の子どもたち。信じていい人、疑った方がいい人、自分で見極められるような子になって欲しいからこそ、たくさんの人に会って、言葉を交わす手助けをしていきたい。


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