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[2028年01月号] レファレンス活用

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検索やAIの時代に、図書館で人に相談するということ

                              木編Books 翼

 わからないことがあれば、まず検索する。今では、それがごく自然な行動になりました。最近では、AIに質問を投げかけると、要点をまとめた答えまで返ってきます。便利さを実感する一方で、こうした時代に図書館のレファレンスが果たす役割を考えてみたいと思います。

 検索やAIは、とても心強い存在です。調べたいことがはっきりしていて、言葉にできているときには、必要な情報をすばやく提示してくれます。ただ、いつでも万能というわけではありません。何を知りたいのか、自分でもうまく説明できないとき、検索窓の前で手が止まってしまうことはないでしょうか。

 たとえば、地域の昔の出来事を知りたいと思ったとき。家族の病気について調べたいけれど、専門用語が多くて戸惑ってしまうとき。資料は見つかるものの、どこか腑に落ちず、読み進められなくなることもあります。そんな場面では、検索やAIだけでは、少し心細く感じることがあります。

 こうしたときに頼りになるのが、図書館のレファレンスです。司書に話してみると、うまく言葉にできなかった関心や疑問を、ゆっくりと整理してくれます。どこまでわかっていて、どこでつまずいているのかを、一緒に確認しながら話を進めていく。そのやりとりの中で、自分の問いが少しずつ形を持ちはじめます。

 レファレンスは、質問にすぐ答えを出す場ではありません。むしろ、問いを育てていく時間と言ったほうが近いかもしれません。資料を紹介する前に話を聞き、状況や目的を確かめ、進む方向を探る。その積み重ねが、納得のいく調べものにつながっていきます。

検索やAIが、情報に直接アクセスするための道具だとすれば、レファレンスは人を通して知に近づく方法です。そこには、効率だけでは測れない安心感があります。自分の関心や背景を含めて受け止めてもらえたという感覚です。

 便利な道具が増えた今だからこそ、図書館で人に相談する意味は、むしろ大きくなっているのではないでしょうか。レファレンスは、情報を得るための手段であると同時に、自分の考えを深め、広げていくための大切な入り口です。図書館がこれからも、安心して問いを持ち込める場所であり続けてほしいと思います。

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