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[2020年4月号]「菊池の図書館」前史  寄稿者 茅嶋祐一

「菊池の図書館」前史  寄稿者 茅嶋祐一


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 生涯学習センター「キクロス」の1階に「菊池市中央図書館」がオープンしてはや2年半経過し、入館者は既に30万人を超える盛況ぶりです。その菊池市図書館が建てられる前の歴史を知る菊池市役所OBの茅嶋さんに、菊池の図書館の前史を語っていただきました。

             (編集部)

写真 菊池図書館(大正4年)記念碑 

 時は、昭和38年熊本国体のバトミントン会場として完成した旧市民体育館(現菊池南中プール付近)の2回の部屋で、大正時代に県下で一番古く建設された菊池図書館(隈府町図書館)を継承して、隈府中央通りの元・割烹旅館跡の旧中央公民館の図書室から運ばれ、乱雑にうずたかく積み上げられた本・本・本の山に向かって、一人の職員が、毎日毎日、来る日も来る日も黙々と整理をし、ラベルを作り、背表紙に張り付ける作業を続けていました。

 その後、その本は、菊池税務署前の中央公民館(昭和48年完成)3階の図書室に運ばれ、公民館図書室蔵書としてスタートしました。当時、図書館との名称を希望しましたが、図書室となり、視聴覚室と併用となりました。その部屋は、机6台、椅子24脚で収容人員24人でした。

 当時の中央公民館には、婦人室、調理室、大会議室、特別会議室、視聴覚室、和室等々が有りましたが、青年室がなく、後日青年団室として別棟の部屋ができました。

(当時、婦人会会員3,800人、青年団団員800人位でした)

 そして、昭和の町村合併につぐ、平成の大合併の大波がやってきました。そして最大の関心事は新しい市の名称は?でした。

 合併決定に伴う、膨大な案件の中で図書館については必要である事の意思決定は出来たが、一ケ所でいいという意見とそれぞれ旧町村にある図書室は存続し、内容の充実を図る事と云う意見でした。

 いろいろな議論の末、泗水図書館は伝統があり、蔵書も豊富で、町民には高齢者にも、年少者にもたいへん親しまれていることから、そのまま存続させ、旧菊池市に中央図書館を新設すべきとの意見にまとまりました。

 その後、図書館建設に期待する市民の熱意と行政当局、市議会の理解で、現在地に生涯学習センター1階に中央図書館が開設(平成29年11月)され、泗水図書館は、分館として存続し、七城、旭志はそれぞれ図書室から図書館分館として充実が図られました。

 
 
 

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