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[2020/1月号]新春対談

新春対談「ネット時代の図書館る」




江頭実菊池市長  坂本敏正菊池市図書館友の会代表  司会井藤友の会事務局長

司会 明けましておめでとうございます。

インターネットが普及し、新聞や本を読まなくなったとの声を聞きますが、そのような中で、菊池市中央図書館がオープンしました。菊池市図書館の課題は何か おふたりに語っていただきたいと思い、対談を企画しました。

 まず菊池市図書館として出発して2年になりますが、その評価はいかがでしょうか

市長 オープンして、2年間で30万人は素晴らしい数字です。平日夕方子どもたちや学生たちが多く利用しています。図書館職員も、毎月特集を組んで、市民を集めています。

坂本 全体として評価し感謝していますが、具体例として特に2点に絞って述べます。

一つ目は、オープンの年の大晦日から正月にかけて、特に帰省した人たちに向けた「お披露目の年越しオープン」を実現されたこと。

二つ目は「ニューヨーク公共図書館」というドキュメンタリー映画を、熊本市内のDenkikanで2週間しか上映されなかったのですが、その2週間に職員が交代で鑑賞されました。職員の熱意を感じ嬉しく頼もしく思いました。

司会 生涯学習の場として、図書館と公民館の連携はどのように評価されていますか

市長 たいへん良い連携で相乗効果を発揮しています。アートフェステイバルは、2階の公民館でいろいろな催しを展示し、1階の図書館で関係する本や資料を見るなど、一体となった良い連携で、理想的な事例だったと思いました。

坂本 生涯学習センターの名のとおり、上の階は公民館、下の階には図書館があり、平時でも、ロビーの活用が非常に良かった。公民館は夜10時までなので、図書館閉館後も、生徒達がロビーで勉強したり、グループで話し合ったりしています。

司会 3年目を迎え、当面の課題なり目標を、どのようにお考えでしょうか

市長 蔵書は、皆さんの声を聴きながら、長期的視点で徐々に良書で充実させたい。公民館含めて、人材育成の場としたい。菊池フユチャーラボという菊池の若者向けのまちおこし塾があり、このような企画を拡充してゆきたい。

坂本 友の会の目標は、一にはホームページ及び情報紙「みんなの図書館」による情報発信の強化、二には、市民の声を図書館につなぐこと、三には、図書館の企画や催しのサポートです。

司会 インターネット時代のネットの功罪と図書館の果たす役割をどうお考えでしょうか

市長 新聞を読んでいない人も、スマートフォンなどで読んでいる。どこでも、いつでも情報が取れる、早い効率的な世の中になったと思う。ネットニュースは面白い情報、すぐ役にたつ情報、目先の情報が好まれている。こうした情報は、発信元が考える結論を先に見せる。しかし、それが本当に正しいかどうかわからない。

 スマートフォン自体いけないというのではない。スマートフォンを何に使っているのかが問題だ。ゲームでは受け身です。考える力が弱くなってくる。人間は自然の一部だから、自然からいろんなことを学びとっている。スマートフォンにはそれがない。人間力を育てるには、触れたものを感じ、自分の脳を使う、体を使うことです。

坂本 スマートフォンやテレビなどに時間を取られて、本や新聞を読まない。

五感を使って想像しながらとかは、ネットの世界にはない。情報交換のみです。

スマートフォンを使うには、自制心を働かせることが必要。とくに子どもは、勉強読書の時間がなくなっている。想像力の世界を、小中学生、高校生に、一日の生活の中に、少しでも長く味合わせたい。

市長 使い方が問題。例えば授業時間で使うテーマを与えて調べさせること。昔だったら、調べるだけでも、数日間かかったものが、インターネットを活用すれば短時間で出来る。ただし、そこで出てくる情報について、都合の良いものにされていないか、見極める力が必要です。

坂本 自分の意見と違うものをフェイクニュースと決めつけて排除する傾向にあります。自分と異なる意見を聞く寛容さが必要です。

司会 このような状況のなかで、菊池市図書館が果たす役割をどのようにお考えでしょうか

市長 図書館に期待するのは、ひとつは、考える力をもった人間を育てることです。

また、高価で家で買えない画集や写真集など、感性を養う図書も充実させてゆくので、考えたり、感じたり、人間力を育てる場になってほしい。

期待するもうひとつの点は、レファランス機能の充実です。市民の問題意識に、相談に乗る、本を紹介するとかコンシエルジエ(案内機能)があると楽しい図書館になります。

坂本 一には、図書資料の充実。二には、各分野の図書司書エキスパートの育成。

三には、イベント、催し事を積極的にやって人々を公民館・図書館に引き付けてほしい。 

四には、移動図書館を視野に入れてもらいたい。四か所(中央、泗水、七城、旭志)の図書館があるけれど、そこまで行けない人びとのために移動図書館が是非とも必要です。

司会 いろいろな課題が明らかになったと思います。菊池市図書館が市民に愛される図書館として、公民館とも連携して、生涯学習の場として、ますます充実発展しますよう、市長はじめ図書館公民館関係者の皆さんのご尽力をお願いしたいと思います。

私たち菊池市図書館友の会も、微力ながら精一杯お手伝いさせていただきたいと思います。

ありがとうございました。


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