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[2025年10月号] 「キクロス文庫」


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 司書さんが選ぶ「キクロス文庫」

        ~団体貸出制度を利用して~        


 菊池市の図書館では、団体貸出制度というのがあって図書館の本を一度に100冊以内まで4週間借りることができます。団体貸出の登録ができるのは菊池市内の学校・幼稚園・保育園や読書活動を行っている団体、個人事業主・企業等の集客施設などです。

 cafe望野山でも登録して利用させてもらっています。(コメダ珈琲さんの取り組みを参考にさせて頂きました)

 今年の8月からは中央図書館の司書の方に交代でテーマを決めて選書してもらいそれを

旧マスザキデンキで展示しています。名付けて「キクロス文庫」!


 8月のテーマは「風ことばで話しをしよう」

植田正治作品集。海辺の朝。きょうもかぜはいろづいて。クジラがしんだら。かぜのひ。

旅する小舟。月夜とめがね。ジャーニー。かぜがつよいひ。スーパーセル。奄美・琉球。Love in Alaska。さいごの散歩道。ずぶぬれの木曜日。飛翔。窓から見える世界の風。

月は静かに。果報は海から。曇天記。風にもまけず。粗茶一服。そらみみ植物園。南の風に誘われて。マーゴット。風。ほとんど想像すらされない奇妙な生き物たち。旅の窓。風にのってきたメアリー・ポピンズ。


 9月のテーマは「文字の無い本」

やこうれっしゃ。ズーム。ふたごのうさぎ。もりのえほん。あ?っ!。アンジュール。

ぞうのボタン。にわとりとたまご。りんごとちょう。かさ。Michiみち。おはなをあげる。アライバル。なんにかわるかな。木のうた。レッド・ブック。漂流物。ふしぎなえ。しま。ぼくのねこはどこ?。


 本の題名だけの紹介ですが、司書さんならではの奥深い選書で、ぜひ手に取って読んでいただきたい本ばかりです。


  その中で特に私が心に残っている本は、

「窓から見える世界の風」 日本のはるいちばんは知っていましたが、世界にも季節の変わり目に吹く風や生活に深くかかわる風にそれぞれ名前が付いていて素敵な絵とともに紹介してあります。「窓から見える」風なので、自分がそこに暮らしているような気持にもなる本でした。

「さいごの散歩道」 何気なく手に取った本でしたが、読み終えた後ずーんと心に残る本でした。どこかでどうにかならなかったのか、世の中にある社会の無常を深く考えさせられました。

「旅する小舟」 一枚の紙で作った小舟がページをめくるたびにいろんな世界に旅していく。その世界は現実にはない不思議な世界、でも本当にあるかもと思わせるほどの圧倒的な絵に引き込まれました。

「やこうれっしゃ」 今はほとんど姿を消した夜行列車。駅や車内で繰り広げられる人々の姿に懐かしさがあふれています。そうそうこんなだったとワクワクしながら旅行していた気持ちを思い起こさせてくれます。

「アライバル」 ずっしりと重い絵本。その中に描かれているのはなんとも不思議な生き物とそれらが暮らす世界。文字は一切なく、絵だけでぐいぐいと不思議な世界に連れて行かれる、本の重さをより重く感じる、そんな絵本です。


 司書さんに選んでもらう「キクロス文庫」これからも楽しみです。

 


                         cafe望野山  益﨑英子

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